The English Cottage

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店舗を兼ねた住まいでもある当店の建物は、ごく普通の建売住宅を土台にして先代の社長が1973年頃からリフォームを重ねたもので、イギリスの田舎のハーフティンバーの建築を参考に瀬戸内海で使用されていた木造船の床板、備前の耐火煉瓦、耐用年数を過ぎた鉄道の軌道敷などを取り入れておよそ40年の長い月日をかけて完成させました。緑あふれる中庭、二棟続きの店舗、そして隣接するステンドグラスの工房は、たくさんのお客様や、ともに働くスタッフ、そして私たち家族が集う場所としてかけがえのない幸せなひとときと、潤いのある景色を提供してくれます。春になれば小鳥がさえずり、夏は蝉の声、秋には金木犀の香り、冬は枯木立から見える星空、そして年月を経るごとにしっとりとした趣を増す佇まい。この空間ができあがるまでのこだわりと熱意は並々ならぬものであったと思います。カメラを片手にイギリスの田舎町を巡り、車を停めてはハーフティンバーのコテージの写真を熱心に撮影する社長の様子が何冊ものスクラップブックを見るたびに思い出されます。今回ご紹介する本はたくさんの資料ととともにひっそりと本棚に置かれていたもの。大切に守られてきた英国のカントリーサイドのコテージが木組みの構造、茅葺や石板の屋根、煉瓦と漆喰壁の様式、各部屋の様子など、写真とイラストで丁寧に解説されています。家とともに人生を歩みながら、ゆっくりと時間をかけて読みたい一冊です。

The English Cottage Harry Batsford and Charles Fry

 

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はじめに

来店してくださったお客様とお茶を飲みながら、小一時間ほどゆっくりとお話をすることがあります。ひとしきりお互いに話をして、お帰りの際には「ポートベロさんでアンティーク好きな方を集めてお茶会をしてください!」と盛り上がってお開きとなるのですが、お茶会となると、何かテーマがあったほうが面白いだろうな、と商売っ気を出してしまうのが店主の常。あれやこれやと思いをめぐらせた果てに、本業と近からず、遠からず、「イギリスの本」をテーマにしてみてはどうかな、というアイデアが浮かびました。お店には、先代の社長が集めた本、私の本、妹の本・・・と、イギリス文学、アンティーク、建築、ガーデニングなど、たくさんの蔵書があります。まずはポートベロの書棚の中から、一冊を手に取り、アンティーク店の日々徒然を交えてご紹介しながら、いつか皆さまとイギリスの本を囲んだ素敵なお茶会ができれば幸いです。ひとつひとつの時間がゆっくりと重なり合う「ジェーンオースティンの読書会」のように、心うち解けてお話ができる楽しいひとときが訪れることを願って!